斉藤光浩バンド Nuovo Immigrato (2007/11/22 初台The Doors) |
1.DANCE ON FIRE | |
2.SILLY EVOLUTION | |
3.Maze of midnight | |
4.Blue sky | |
5.DRIVE WITH ME | |
6.新曲 | |
7..kissしておくれ | |
8.シャドウ・ブルーをもう一杯 | |
9.ダブルクラッシュ | |
10.クレイジー・アクション | |
11.黄金時代〜Golden Age〜 | |
12.パートナー |
さまざまなユニットでライブ活動を展開してくれた2007年は、光浩ファンにとって充実の1年だった。2週続けてのこの日は、4月の「Second Night!」以来、今年2度目の斉藤光浩バンドとしてのライブだ。Nuovo Immigratoと斉藤光浩バンドという、ちょっと珍しいかもしれない?組み合わせを楽しみに、いそいそと初台ドアーズへと向かった。
SEに懐かしいGSソングが流れるなか、最初に登場したのは斉藤光浩バンドだった。 矢野健太郎さんの日記で当日のステージ写真が公開されているので、ステージの模様はそちらをご覧いただくとして、今回のライブの最大の関心は、なんといっても、その矢野顕太郎さんのプレイだった。
ミッチェルバンドといえば、ドラムは新美師匠。そう信じて疑ったことがなかったので、ドラムが師匠でないと知ったときは、少々、戸惑いを感じた。
そのうえ、矢野さんのことは全く存じ上げなかったので、当初は未知なるものへの多少の不安?も感じていた。でも、矢野さんが新進気鋭の実力派ドラマーだと知って、不安はすぐに期待へと変った(げんきん)。
弱冠23才の矢野さんのは、まだその表情に少年の面影が残り、見るからに若いという印象。新ドラマーを迎えたミッチェルバンドは、いつになく慎重な面持ちで演奏をスタートさせたように見うけられた。しかし、ベテランのメンバーをむこうにまわし、1曲目から矢野さんは、少しも臆することなく、実にのびのびとプレイをしていたように思う。その演奏は、小気味よいまでにパワフル。おまけにスティックまわしで、積極的にライヴパフォーマンスをアピールする余裕さえあるのだから、たいしたものだ。ときには歌詞をくちずさみながら、楽しんでプレイしている様子は頼もしいとさえ思えた。それにしても、わが子と同年代のひとたちが、こうしてステージで活躍する時代になったのかと思うと、「時代は確実に動いている」というか、「自分もトシをとったな」というか・・・なんとも複雑な心境になった(^^ゞ。
今回はイベントということで曲数は少なめだったが、都合4本のギターが登場し、ライブならではの光浩のギターソロを堪能した。また、「シャドーブルーをもう一杯」での智浩さんとのツインギターは、演奏だけでなく絵的にも実に決まっていた。思いがけず新曲を聞くことができたのもこの日のライブの収穫だった。新曲は、喩えが適切ではないかもしれないけれど、ポップ期のBOWWOWの曲に通じるような、メロディアスだがハードな面も持ち合わせた明るいポップな曲。クラビネットを思わせる間奏のキーボードが印象的で、個人的な曲の好みからいうと文句なしの◎。サード・アルバムの計画があるということなので、いずれこの曲もCDで聴ける日がやってくるだろう。と書いたところで、今回演奏された「DANCE
ON FIRE」と「KISSしておくれ」は現在入手可能な2枚のアルバムには未収録だということに気がついた。サードアルバムの曲が足りないときは、この2曲をボートラで入れるという手も「あり」かもしれない(笑)。
ところで、この日は、途中、「ダブル・クラッシュ」で、突如キーボードの電源が落ちるというアクシデントがあった。演奏は、そのまま続行されたが、このときばかりは川村ケンさんの顔から一瞬、笑顔が消え、見ているこちらも肝を冷やした(死語?)。ケンさんいわく「お箸は持ってるけど、肝心のラーメンがない」ような状態は、ご本人にとってはさぞや不本意だったと思うが(まして、この日は会場にオリジナル・キーボーディスト?の厚見玲衣さんが来ていたので、なおのこと)、復旧するやいなや、すぐに態勢を立て直し、再び満面の笑みでステージを盛り上げるケンさんのお姿には、ある種の感動を覚えた。人間、窮地に追い込まれたときに本性が出るというが、ケンさんの笑顔は、決してステージ用に作られたものではなく、お人柄の表れだと思った。(まったくの余談ですが、全日本バレー男子の越川選手は、その笑顔と派手な顔立ちがケンさんに、山本選手は、長身と目元のクールな雰囲気が智浩さんに似てと思うのは私だけでしょうか?)
とまあ、そんなアクシデントはあったものの、新メンバーを加えての今回のライブは、いい意味で適度な緊張感があって新鮮だった。素顔のDAISKEさんも、あたし的には○だったし(笑)。あえて欲を言うなら、矢野さんの声を一声聞いてみたかったということだろうか。でも、いずれ、また、その機会はあると思うので、それはそのときの楽しみにとっておくことにする。
さて、後半はNuovo Immigratoのライブ。実をいうと、セッティングにあまりにも時間がかかるので、途中で帰ろうかと思った(爆)。でも、一応、自分も鍵盤のおけいこをしている身なので、難波さんが参加するNuovo Immigratoは興味があり、なんとか踏みとどまることにした。
Nuovo Immigratoはプログレ・バンドと聞いていたので、もう少し難解なサウンドを想像していたのだが、全然そんな感じはしなかった。もっとキーボードが前面に出たバンドかと思っていたので、その部分では、ちょっと期待と違っていた部分はあったが、どの曲も知らないなりに楽しんで聞くことができた。唯一、難波さんがソロで歌ったPYGのカバー「花・太陽・雨」だけがタイトルのわかる曲だったわけだが、この曲は、この夏行った人見元基ライブで難波さんが歌うのを聴いていた。開演前のSEでGSの曲が流れているのを聴いて、友人と冗談半分で「なんでGSなんだろう?難波さんが『花・太陽・雨』」でも歌うのかしら?」などと勝手な言っていたが、まさか本当にやるとは思わなかった(笑)。もっとも、近々、五十嵐さんがGSの曲をライブでやる予定があると言っていたので、それでSEにGSが流れていたのかもしれない。で、その五十嵐さんだが、何年か前のイベントでNOVELAのボーカルAngieとして拝見した時とは、ずいぶん雰囲気が違ってみえ、最初、私は誰だかわからなかった(恥)。しかし、その声を聴けば、紛れもなくAngieその人だとわかった。そして、この日のライブでは、改めてその声の魅力を認識したのだった。あのハイトーン・ボーカルは、声そのものが天賦の才なのだと思う。そして、このバンドは他のメンバーもボーカルをとれるだけの力量を備えているのが強みだ。ソロで歌う場面こそなかったが、竜さんもコーラスで、その片鱗を発揮していた。そして、バーニーさんの迫力あるギター、これも実に圧巻だった。
五十嵐さんが、その昔、光浩がBOWWOWを脱退してARBに参加したときのライブを見に行っていたという意外な話も聞けたりして、Nuovo Immigratoのライブは思った以上に楽しめた。
12月もライブは続く。今度はどんな「斉藤光浩」を見せてくれるのだろう?楽しみはまだまだ終わらない。